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WORKS

NISHIMAIKO-K「関係性をチューニングする建築」

設計事務所様案件 新築住宅
設計・監理:クラウドアーキテクツ 施工:有限会社ビームスコンストラクション

写真:shuntaro(bird and insect ltd.)
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【敷地面積】 74㎡ 22.38坪
【延床面積】 81㎡ 24.50坪
【竣工時期】 2020年11月
【工  法】 木造2階建て

【建築家コメント】
朝焼けに染まる空、風に揺られ光輝く水面、夜空に輝く星空。

自然の見せる様相は実に多様で美しく、心惹かれる。

建物も、いつも同じように存在するのではなく、自然の移り変わりに呼応して多様な表情を映し出す媒体としたい。

人間の多様な生(とても気分の良いみんなでワイワイしたい日や、とても落ち込んで誰とも会わずに一人で閉じこもりたい日、何もせずただぼーっとしていたい日、家族の成長、社会の変化など)を受け止められる多様な空間を内包した住宅としたい。

敷地面積74㎡、床面積81㎡と物理的に小さな空間であっても外部とうまく接続させる事で広がりのある大らかな空間としたい。そのような3点を、この住宅の主題として設計を進めた。

内部と外部の物理的な境界となる外壁面やガラス面は、周辺環境や自然との関係性の中で変化に富むものとなるよう、外壁には凹凸の異なる3種類の金属サイディングを組み合わせて用いることで、太陽の動きによる光の当たり方や、見る角度による微妙な陰影の違いをつくりだし、ガラス面では反射率をコントロールすることで空や周辺の街並みが映り込んだり、内部の出来事が少し透けて見えるなど、季節や時間帯、人の動きなどによって様々な表情を建築が纏うよう考えた。

2階レベルに持ち上げられた家族の共有スペース(ファミリースペース)は、南側と西側に大きく開口を設けることで明るく外部に開かれた空間として、それとは対照的に1階を民家の納戸のような閉じた落ち着きのある個人空間(プライベートスペース)とすることで、住む人の多様な生を受け止めることができるよう、空間の持つ正確に幅をもたせた。

また、2階のファミリースペースは直接外部空間と接続させるのではなく、バルコニーや階段、ハイサイド空間といった調整空間(チューニングスペース)を介して接続させることで、内部区間と外部空間を様々な距離感で接続することができる状況を作り出した。

内部空間と外部空間が、個人と家族が、家と地域が、人間と物が、”どのような距離感で接続するのか”が建築(Architecture)ではないかと考えている。
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